【元クリスタルキング・ロック歌手 田中昌之】耳ひっぱりは心筋梗塞を起こした私の体調管理に必須!老眼や声の張りもよくなる
元クリスタルキング・ロック歌手 田中昌之
急性心筋梗塞で倒れたのは、2011年3月のこと。夜、家でテレビを見ていたら、いきなり心臓を万力で締め付けられるような痛みが走ったんです。
子どものときから運動をしたときに、胸がきゅーっとなることはあったんですが、深呼吸したり、姿勢を変えたりすると治っていました。
ところがその日は何をやってもダメで、「あ、俺、死ぬわ」と思いました。
マネージャーが救急車を呼ぶという段になって、僕は「ちょっと待って」と、風呂場に這って行きました。
ロックミュージシャンとしてカッコ悪い死に方したくなかったので、風呂で身を清め、歯も磨き、着替えしてから「救急車呼んでくれ〜」と。
それがアカンかったようです。救急車に乗ったとたん気を失って心肺停止になりました。
緊急手術で心臓の冠状動脈を広げるステント治療を受けて命拾いして、ほんとうにラッキーでした。
9日間入院して退院直後からリハビリに励んだのですが、はじめは50m歩くと息があがってました。
でも、また歌いたい一心でリハビリを続け、6月30日の還暦の誕生日に無事ステージに復帰できました。
実を言えば、僕は自他ともに認める健康オタクで、体には絶対の自信があったんです。筋トレで体を鍛えていたから肥満とは無縁。
毎日、サプリメントを両手いっぱい飲んで栄養もバッチリだと思い込んでいました。
でも、どうやら間違った健康オタクだったみたいです。
食事といえば肉ばかりで、野菜はほとんど食べませんでした。それからタバコ。ふだんは1日2箱。曲を作っているときは3箱吸っていました。
ドクターいわく、「タバコが諸悪の根源」だそうです。
もう痛い目にあうのはごめんだったので、タバコはもちろん医者が「アカン!」といったことは全部やめました。
そんな僕が体調管理の1つとしてはじめたのが、耳ツボの神門を刺激する「耳ひっぱり」です。
数年前、縁あって飯島敬一さんと知り合い、ライブの前に神門を刺激してもらったら、声もでかくなって、トークも炸裂して。
そのときのことを思い出し、耳ひっぱりをやることにしたんです。僕は短気だから、結果がすぐ出るものじゃないとやる気がしません。
その点、耳ひっぱりは即効性があって、僕にはぴったりでした。
人差し指と親指で神門をはさみ、キュッ、キュッと引っぱるだけで、てきめんに体中がカーッと熱くなってくる。
全身の血流がよくなるからか、目にもよかったんです。
僕、老眼なのでモノに焦点を合わせようとすると、眉間がつらくなるんです。
でも、神門をキュッ、キュッと引っぱると、目も眉間も楽になって助かっています。
メンタル面では、アイデアがスパンとでてくるようになりました。
以前は詩を書くのに、イメージが降りてくるのをひたすら待っていました。その日に出てくることもあれば、2日、3日かかることもありました。
ところが神門を刺激すると、イメージがポンと落ちてきて、ものの5分もしないうちに曲が完成します。
これって、ほんとうにすごいことです。
ふだんは気がついたら、神門をキュッ、キュッ。
作詞作曲、ライブの前にもかならずキュッ、キュッと耳を引っぱっておきます。
これをやっておくと、自分でも驚くほどトークの話題ががんがん浮かんできて、声の張りもよくなるんです。
最近はライブをスタートする前に、お客さんと一緒に耳ひっぱりをやるようになりました。
耳を引っぱると、お客さんたちも自律神経が整って、すごくなごやかになる。その場の空気がとってもよくなるんです。
まさに〝健康ライブです。
心臓発作を経験してからは、「人間は簡単に死ぬもんや」という自覚が できたので、悔いを残さないために一曲、一曲全身全霊をかけて歌ってます。
今できる最高のパフォーマンスをお見せできる、ロックンローラーでありたいと思っています。