あかね会土谷総合病院顧問・広島大学名誉教授 土肥雪彦さん

耳ひっぱりは術後や透析の患者のケアに最適!
医師の私は9㎏やせて血圧が下がった

あかね会土谷総合病院顧問・広島大学名誉教授 土肥雪彦さん

「耳ひっぱり」について、まず私の体験からお話ししましょう。
私は、ストレスがたまるとよく癇癪を起こし、血圧も上が150~140㎜Hgありました。
イライラや高血圧は、いずれも自律神経のうち、交感神経が優位な状態で生じます。
耳ひっぱりを習慣にしてからは、血圧は120㎜Hg台に落ち着きました。
イライラしたり癇癪を起こしたりすることもなくなり、性格も温和になったような気がします。
自律神経のバランスがよくなり、交感神経の過度な緊張が抑えられ、副交感神経が優位になったからでしょう。
いちばん目に見える効果は、楽に9㎏も減量できたことです。
学生時代は54㎏(身長162㎝)だった体重は66㎏、ウエストは92㎝になり、体が重くて階段を昇るのも息苦しく感じていました。
毎日、気がついたときに神門をもんで、食事は玄米や野菜、魚を中心にしてよく噛むようにしました。
以前は小腹が空いて夜食を食べていましたが、耳ひっぱりを行うようになってからは、空腹感が起こらず夜食も不要になりました。
すると、2カ月後に5㎏減、半年後には9㎏減って57 ㎏に、ウエストは10㎝細くなりました。
階段の上り下りも苦になりません。リバウンドが起こらないのも、うれしいことです。

私が耳ひっぱりに関心をもったのは、1年半ほど前のことです。
飯島敬一先生が主宰する「神門メソッド」の体験会に参加し、神門の効果のすばらしさを実感しました。
神門への刺激が優れているのは効果が見えやすい点です。体験会では、顕微鏡を使って指先の末梢血管を観察しました。
耳を刺激した直後、血管が広がり、血流が明らかによくなるのが見て取れました。
また、耳ひっぱりを行った後は、体の柔軟性が増す、胃腸の調子がよくなる、筋力が高まる、気分や視野が明るくなる、などの多彩な変化も認められました。
これらの変化から、神門を刺激する耳ひっぱりは、自律神経の働きを調整する作用があると考えられます。
自律神経は、交感神経と副交感神経の2つからなり、呼吸や血圧、体温、血液の循環、主要な臓器など、体のあらゆる機能を必要に応じてコントロールしてくれる神経です。
自律神経がうまく機能するために重要なのは、2つの神経のバランスです。
神門への刺激には、自律神経のバランスを整える作用があり、それが健康増進につながっていると考えられます。
神門を中心とした耳ひっぱりは、ツボ療法で、代替療法の1つです。
代替療法には、鍼や気功など多くの療法がありますが、いずれも西洋医学以外の療法です。
大学病院で腎臓や肝臓の移植医療に携わってきた私は、かつてほとんど代替療法を使う機会はなく、あまり関心もありませんでした。
代替療法の見出すようになったのは、妻の病気がきっかけでした。
胃ガンの手術を受けた妻は術後7年目に再発転移して、食事もとれない、モルヒネも効かないなど、心身の苦悩で眠れない状態に陥りました。
みかねた娘たちが、アロマを使ったり、胸やおなかのツボを温めたり、マッサージをしたりするなどの手当をしていました。
すると、そんな簡単なことで、心身の痛みは和らぎ、妻が深く癒されているのが見てとれ、私は強い感銘を受けました。
この経験もあり、患者さんの苦悩を和らげ癒す有用な代替療法を見出し、学びたい。患者さんに役立てたいと考えるようになりました。
そこで通常の治療に加えて、免疫増強・体力維持や心身の苦悩軽減のために代替療法も用いており、昨年末からはその1つとして、耳ひっぱりもお勧めしています。
現在、私は広島にある土屋総合病院でセカンドオピニオン・医療相談外来を担当しています。
胃腸や肝臓のガンの術後のかた、腎移植術後や透析を受けておられる患者さんなど、さまざまなかたが相談にみえます。
いろいろな悩みに対して、患者さん自身でもできることとして、セルフケア・セルフヒーリングの重要性、やり方などをお教えしています。
皆さんにご紹介している「ベッドでできるセルフケア・セルフヒーリング法(土肥法)」は、呼吸法やチャクラ活性法、軽い運動法などを組み合わせたもので、簡単に心身を癒せることから患者さんに好評です。
その仕上げに、耳ひっぱりを取り入れています。耳ひっぱりは、自律神経系、免疫系、内分泌系など生命維持に重要な領域すべての活性化に役立つと思われます。

症例を1つご紹介しましょう。50代のご夫婦で、奥さんは五十肩で腕が上がらず、ご主人は耳鳴りで困っていました。
耳ひっぱりをお勧めしたところ、2週間後に受診されたとき、奥さんは腕が上がるようになり、ご主人は「耳鳴りが小さくなって、音がよく聴こえるようになりました」と喜んでおられました。
耳ひっぱりで、耳の聴こえがよくなったかたはたいへん多く見受けられます。
耳ひっぱりは、うつの改善にも役立ちます。うつのかたは、周囲に心を閉ざしがちです。
その結果、外界からの刺激が減り、嫌な記憶や嫌いな人のことばかり考えるようになって、ますますうつがひどくなります。
ネガティブな感情は心から治すより、体を刺激して取るほうが簡単です。
神門をキュッ、キュッ、キュッをひっぱると、脳に新しい情報が入るので、嫌なことばかり考えなくなります。
また、体がポカポカ温かくなって心地よくなり、気分転換になります。
耳ひっぱりで「気分が明るくなった」と、ご本人はもとより、ご家族からも喜ばれます。
神門を刺激する耳ひっぱりは、簡単ですが、ご高齢の中には痛がる人もいます。
そのような場合は、耳全体を顔側に伏せて、手のひらで耳をキュッ、キュッ、キュッと押すといいでしょう。こうすれば介護にも便利です。
耳ひっぱりは優れたセルフケアです。皆さんも生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。



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